こんにちは、健康マスター・普及認定講師のうりさくらです!

健康に良い食事を心がけたいと思っていても、「何を食べれば良いの?」「どんな食事が本当に健康に良いの?」と迷うことはありませんか。

近年では、食事と病気の関係について多くの研究が行われ、科学的根拠(エビデンス)に基づいた「健康に良い食事」が少しずつ明らかになってきました。

そこでこのシリーズでは、健康に良い食事とは何かという基本から、日本人が実践しやすい食事のポイントまで、エビデンスをもとにわかりやすく解説します。

この記事は【健康に良い食事 基礎編】です。

まずは、エビデンスに基づく「健康に良い食事」とは何かを、地中海食・DASH食・和食を例に解説します。

  • エビデンスに基づく健康に良い食事とは?
  • 地中海食・DASH食・和食とは?
  • 3つの食事に共通する特徴

健康に良い食事も、毎日の暮らしの中で無理なく続けられることが大切です。

健康情報があふれる今だからこそ、科学的根拠に基づいた食事を知り、ご自身に合った食生活を考えるヒントにしていただければ幸いです。

エビデンスに基づいた「健康に良い食事」とは?

エビデンスに基づいた健康に良い食事とは、人を対象にした研究で、病気の予防や健康維持との関連が示されている食事という意味です。

健康に良い食事として話題になっているものに、地中海食やDASH食があります。

どちらも国際的に多くの研究が行われており、健康維持や生活習慣病の予防との関連について、多くのエビデンスが蓄積されています。

食事と疾病の研究の原点|地中海食とは

1950年代末、地中海沿岸地域では他の地域に比べて狭心症や心筋梗塞などの心血管疾患が少ないことに注目が集まりました。

その背景には、食生活が関係しているのではないかという仮説のもと、アンセル・キーズらによる7カ国研究が始まり、食事と心血管疾患との関係を国際的に比較する大規模な研究が進められました。

1993年には「地中海食に関する国際会議」が開催され、地中海食のバランスを示した「地中海食ピラミッド」が提案されました。

これを契機に、地中海食の考え方が国際的に広く普及し、2010年にはユネスコ無形文化遺産にも登録されました。

現在では、地中海食は健康的な食事パターンとして世界中で広く認められ、その特徴は以下の通りです。

地中海食の特徴(※1)

食事内容だけでなく、家族や友人と食卓を囲むといった社会的・文化的な食習慣も、地中海食を構成する大切な要素です。

健康面では、肥満やメタボリックシンドロームの予防に加え、心血管疾患や2型糖尿病の発症リスクの低下が報告されています。(※2)

認知機能の面でも、軽度認知障害や認知症の発症リスクを低下させる可能性が示されています。(※3)

DASH食の特徴と疾病予防の効果

DASH(Dietary Approaches to Stop Hypertension)食は、アメリカ国立衛生研究所が提唱した高血圧の予防・改善を目的に開発された食事法です。

主に以下のような特徴があります。

DASH食の特徴(※4)

多くの研究が行われ、高血圧だけでなく、虚血性心疾患や脳卒中などの循環器病、糖尿病、肥満の予防との関連も報告されています。(※5)

また、DASH食を取り入れている人では、記憶力などの認知機能が良好であることも報告されています。(※3)

地中海食やDASH食は、世界中で多くの研究が行われ、その健康効果を示すエビデンスが豊富です。それでは、日本人に馴染みのある和食はどうなのでしょう。

和食は栄養バランスに優れた健康に良い食事

和食は、一汁三菜を基本とした栄養バランスのとりやすい食事スタイルなど、健康的な食生活につながる特徴を持っています。

2013年には、「和食;日本人の伝統的な食文化」と題して、ユネスコ無形文化遺産に登録されました。

健康的な食生活につながる和食の特徴として、次のような点が挙げられます。

和食の特徴(※6)

動物性油脂を摂りすぎない食生活は、長寿や肥満防止にも役立つと考えられています。(※6)

このような和食中心の食事パターンは、日本人を対象にした研究でも健康との関連が報告されています。

実際に、日本人を対象に和食と死亡リスクとの関連を調べた研究結果を見てみましょう。

出典:がん対策研究所 予防関連プロジェクト「日本食パターンと死亡リスクとの関連について」より引用(※7)
(原典:Matsuyama S, et al. Eur J Nutr. 2021;60(3):1327–1336.)(※8)

この研究では、日本食パターンのスコアが最も低いグループに比べ、最も高いグループでは死亡リスクが低いことが示されています。

グラフを見ると、全死亡リスクは14%、循環器疾患死亡リスクと心疾患死亡リスクはともに11%低いことがわかります。

※日本食パターンは、ご飯、味噌汁、海藻類、漬物、緑黄色野菜、魚介類、緑茶の摂取量が多いこと、牛肉・豚肉の摂取量が少ないことを点数化して評価したものです。

日本食パターンのスコアが高いグループでは、海藻類や漬物、緑黄色野菜、魚介類、緑茶などの摂取量が多く、抗酸化物質や食物繊維、カロテノイド、EPA(エイコサペンタエン酸)などを多く摂取していることが、その要因の一つと考えられています。

また、近年の研究では、日本食パターンのスコアが高いほど、要介護や認知症発症リスクも低いという結果も報告されています。(※9、10)

和食の健康効果を示すエビデンスは近年蓄積されてきましたが、地中海食やDASH食ほど十分でなく、今後のさらなる研究が期待されています。

まとめ

本記事では、健康に良い食事として知られている地中海食・DASH食・和食について、それぞれの特徴や健康効果を解説しました。

これらの健康的な食事パターンからは、次のような共通するポイントが見えてきます。

地中海食は健康に良い食事として広く認められていますが、日本人の食生活にそのまま取り入れることは容易ではありません。

日本人がこれまで親しんできた食文化を無理に変える必要もありません。

大切なのは健康に良い食事のポイントをおさえて、毎日の食事を楽しむことです。

次回の【健康に良い食事 実践編 】では、今日から実践できる「健康寿命を延ばすための食事の8つのポイント」を、科学的根拠をもとにわかりやすく解説しています。ぜひ続けてご覧ください。

参 考 資 料