こんにちは!健康マスター・普及認定講師のうりさくらです!

みなさんは、「病気になってしまったら、もう健康寿命は終わりだ」と思っていませんか?

健康寿命とは「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」のこと。つまり、病気があるかないかだけできまるものではありません。

人生100年時代、老化による身体の機能低下は避けようがなく、いつかは病気になるのは宿命かもしれません。

かく言う私も、このブログの開設直前に「リウマチ性多発筋痛症」を発症してしまいました。

健康についてお伝えする身でありながら、完璧な健康体でなくなったことに強いショックを受けました。

しかし、病気を経験して初めてわかったのです。

大切なのは、病気のない「完璧な健康体」という幻を目指すのではなく、あふれる健康情報に惑わされず、正しい情報をもとに病気や身体の変化と上手く付き合いながら「自分らしい生活を少しでも長く続けること」。

健康寿命について考えるなかで、そんな健康のあり方もあるのだと気づきました。

この記事では、健康寿命における健康とはどういう状態なのかや、本当に目指すべき健康の姿についてお話します。

この記事でわかること

  • 健康寿命における健康の基準
  • 100年時代の健康観
  • 健康寿命の本当の意味

平均寿命がどんどん延びていくなかで、これから先、老後に何が起こるか予測するのは困難です。

病気になったとしても、健康を諦めないで自分らしい人生を送りたいものです。

この記事の内容が、みなさんが自分らしく生きるためのロードマップ(道しるべ)となれば幸いです。

健康寿命の基準|病気の有無ではなく「日常生活への影響」で考える

健康寿命は、生存期間を「健康な状態」と「不健康な状態」に二分し、健康な状態の期間の平均値として計算します。(※1)

日本の場合、3年ごとに行われる「国民生活基礎調査(大規模調査)」の健康票における質問の回答により健康・不健康の判断をして算出しています。

健康・不健康の判断(※1)

このほか、市町村単位の健康寿命を算出する方法の一つとして、介護保険の要介護度を用い、「要介護2以上」を不健康な状態とする方法もあります。

このように、健康寿命における「健康」とは、病気があるかないかではなく、健康上の問題によって日常生活が制限されているかどうかを基準に判断されています。

意外に思われるかもしれませんが、たとえば、がんの治療中であっても、健康上の問題によって日常生活が制限されていなければ、健康寿命を算出するうえでは「健康」に分類される場合があります。

「病気があっても健康」だなんて、なんだか気休めのように聞こえるかもしれませんね。

しかし、100年時代を迎えた今、私たちが昔から持っている「健康のイメージ」そのものを見直す時期が来ているのです。

人生100年時代、「完璧な健康体」だけを目指さなくていい

WHO憲章は1946年に採択され、その前文で「健康とは、単に病気や虚弱がない状態ではなく、身体的、精神的、社会的に完全に良好な状態を指す」と定義されています。

終戦後間もない1947年の日本人の平均寿命は、男性が50.06歳、女性が53.96歳で、当時は、感染症などによる死亡が現在より大きな問題となっていました。(※2)

その後、医学医術の進歩により平均寿命は飛躍的に延び、2040年には男性が83.27歳、女性が89.63歳と予想され、人がかかる病気も「生活習慣病」へと変わってきています。(※3)

生活習慣病は食事や運動などの生活習慣だけでなく、加齢に伴う身体の変化も発症に関わっています。

近年では、加齢に伴う脂肪細胞の機能低下が、糖尿病や脂質異常症、脂肪肝などの生活習慣病につながる仕組みも明らかになってきました。(※4)

生活習慣病のひとつであるがんについても、日本人の2人に1人は一生のうちにがんと診断されるというデータが出ています。(※5)

長寿化した現代では、年齢を重ねるなかで何らかの病気と付き合いながら暮らすことは、決して珍しいことではありません。

人生100年時代と言われる今、誰もが完璧な健康体を目指すことは現実的ではないのかもしれません。

病気になる可能性をできるだけ減らす努力はもちろん大切です。それでも病気になったとき、「もう健康ではない」と考える必要があるのでしょうか。

WHOの定義にある「完全に良好な状態」を文字通り求めれば、病気や身体の不調を抱えながら暮らす人にとって、「健康」はとても高いハードルになってしまいます。

しかし、長寿化によって病気と付き合いながら長く暮らす人も珍しくない現代では、健康と病気を単純に分けて考えるだけでは捉えきれない部分があります。

病気を抱えながらも、自分らしく生きるために、健康の捉え方そのものを見直す必要があるのではないでしょうか。

健康寿命の真髄!病気があっても心豊かな人生

1946年のWHOによる健康の定義は、簡潔で核心を突いた概念として、保健医療従事者のみならず一般の私たちにも長い間受け入れられてきたものです。

しかし、医学医術の進歩により寿命が延び、病気を抱えながら長く暮らす人も珍しくない時代になりました。

そこで、「どれだけ長く生きるか」という生命の量だけでなく、「どのような状態で生きるか」という生活の質(QOL)も重視されるようになったのです。(※6)

こうした考えに通じるものが、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」を示す健康寿命です。

日本では、WHOが2000年に発表した世界の健康寿命ランキングで日本が世界一となったことをきっかけに、広く関心を集めるようになりましたね。(※1)

そして近年、健康寿命を考えるうえで注目されているのが「フレイル(虚弱)」です。

年齢を重ねると、病気などのストレスから回復する力が低下し、健康な状態から徐々に要介護状態へと移行していきます。その中間に位置するのがフレイルです。

フレイルには可逆性(元の状態に戻れる特性)があり、この時期に適切な栄養や運動・社会参加に取り組むことで、健康な状態に戻ったり要介護状態へ進むのを遅らせたりすることも可能とされています。(※7)

つまり、年齢を重ねて心身の機能が低下しても、そこで健康を諦める必要はありません。

自立した生活をできるだけ長く続けるために、まだできることがあるということです。

健康寿命を考えるうえで大切なのは、病気や身体の衰えがあるかどうかだけではなく、「自分らしい生活をどれだけ長く続けられるか」という視点ではないでしょうか。

病気を予防することはもちろん大切です。しかし、病気になったからといって、「もう健康ではない」と自分らしい生活まで諦める必要はありません。

病気とうまく付き合いながら、今できることを続け、自立した暮らしをできるだけ長く保っていく。人生100年時代には、そんな健康のあり方にも目を向けたいものです。

「病気があっても健康」というのは、決して単なる気休めやまやかしではありません。

完璧な健康体ではなくても、正しい知識を持ち、自分にできることを続けることで、自分らしく暮らせる時間を少しでも長くしていくことはできます。

完璧ではない身体とともに、心豊かな人生を少しでも長く楽しむ。これこそが、健康寿命の真髄ではないでしょうか。

まとめ

本記事では、健康寿命における「健康」とは何かを深堀りしてきました。

健康寿命は、病気があるかないかだけで決まるものではありません。健康上の問題によって日常生活が制限されず、自分らしく暮らせる期間をいかに長く保つかという考え方です。

人生100年時代。病気を予防する努力はもちろん大切ですが、年齢を重ねれば、病気や身体の変化と付き合いながら暮らすこともあるでしょう。

フレイルの考え方からも、心身の機能が低下してきたからといって、そこで何もできなくなるわけではないことがわかります。

人生の目的は、完璧な健康体であり続けることではありません。

大切なのは、たとえ病気を抱えても、正しい情報をもとに自分にできることを続け、自分らしい人生を歩むことを諦めないことです。

今ある身体と上手に付き合いながら、今日という日を楽しむ。その積み重ねで、心豊かな人生を一緒に歩んでいきましょう!

参 考 資 料