こんにちは、健康マスター・普及認定講師のうりさくらです!
人生100年時代の今、健康寿命をいかに延ばすかに大きな関心が集まっています。
健康寿命とは、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」のこと。
できるだけ長く、自立して自分らしく暮らしていくために、とても大切な指標です。
平均寿命の延び以上に、自分らしく人生を楽しみながら暮らせる期間もいかに延ばせるかが大きな課題となっています。
健康寿命を延ばすためには、運動・食事・休養・社会参加など、生活習慣が重要とされています。
正しい知識をもとに継続して取り組むことが何より大切です。
そこでこのシリーズでは、健康寿命とは何か、健康寿命を延ばすための習慣、成功の秘訣 を全3回でわかりやすく解説します。
この記事は、【健康寿命基礎編Vol.2】健康寿命を延ばす生活習慣についてのお話です。

この記事はこんな方におすすめ!
- 生活習慣の見直し方がわからない
- 改善の具体的な目安を知りたい
- 信頼できる生活習慣の情報が欲しい
記事内容の信頼性をご確認いただけるよう、参考にしたサイトや文献については、記事末尾に「参考資料」としてまとめています。
ご興味のある方は、参考資料もご覧いただき、理解を深めてみてくださいね。
健康寿命を延ばす生活習慣とは?
健康に関するさまざまな情報があふれる中、正しい情報を見つけるのは至難の業です。
そこで今回は、厚生労働省が推進する健康施策「健康日本21(第三次)」で重要視している健康寿命をのばすためのポイントを見ていきましょう。(※1)
健康日本21(第三次)では、健康寿命の延伸を目的としてさまざまな項目や目標を設定しています。
そのなかから、日常生活で意識したい主なポイントを9つに整理しました。
各項目について詳しく解説します。
1.減塩・バランスの良い食事を心掛ける
主食・主菜・副菜を組み合わせた食事は、さまざまな栄養素をバランスよくとることにつながります。
良好な栄養素摂取は、生活習慣病の予防や生活機能の維持・向上のために重要です。
野菜や果物を適切にとることは、循環器病や糖尿病などの予防につながります。
野菜・果物の摂取が少ないとがんのリスクが増加することや、塩分の摂取が多いと胃がん・脳卒中のリスクを高めることが知られており注意が必要です。(※2)

日本では、食塩の過剰摂取と全粒穀物・果物の摂取不足が食生活改善の重要課題です。
- 食塩: 7.0g未満
- 野菜:350g以上
- 果物:200g
2.適正体重を保つ
太りすぎも痩せすぎも死亡率が高くなるという結果がでています。
体格の目安として使われるのがBMIです。
BMI=体重(㎏)÷身長(m)÷身長(m)
BMIは18.5以上25未満が一つの目安です。
65歳以上では、太りすぎだけでなく、フレイル(心身の虚弱)や低栄養につながる「やせ」にも注意が必要です。
BMI: 18.5以上25未満
(65歳以上:20を超え25未満)
3.習慣的な身体活動・運動を行う
身体活動・運動の少ない人は、多い人にくらべて脳卒中や心臓病などの循環器病や2型糖尿病・がん・ロコモ(運動器の障害による移動機能の低下)・うつ病・認知症などの発症リスクが高いことが報告されています。
身体活動量の減少は、肥満や生活習慣病の危険因子であるとともに、高齢者においてはフレイル(心身の虚弱)の危険因子でもあります。
日常生活における歩数は減少傾向が続いており、健康への影響が懸念されています。
- 成人: 1日8,000歩
- 高齢者: 1日6,000歩
いきなりこの目標を達成する必要はありません。
大切なのは、「今よりも少しでも多く身体を動かす」こと。
また、座りっぱなしの時間が長くなりすぎないようにすることも大切です。

厚生労働省では、「身体を動かす時間を10分増やし、座りっぱなしを10分減らす」ことから始めるよう呼びかけています。(※3)
4.十分な休養・睡眠をとり、ストレスをためない
睡眠不足など睡眠の問題が慢性化すると、高血圧や肥満、糖尿病、脳卒中・心臓病などの循環器病の発症リスクが上がることが報告されています。
睡眠時間は多すぎても少なすぎても健康に影響します。
特に、勤労世代では6時間未満の睡眠不足、高齢者では8時間以上の長すぎる床上時間(寝床で過ごす時間)が、死亡リスクの上昇と関連することが報告されています。
- 20歳以上60歳未満: 6~9時間
- 60歳以上: 6~8時間
不眠自体がうつ病などの精神障害の発症リスクを高めるとの報告があります。
十分な睡眠や余暇活動で心身の健康を保つことが大切です。
5.節酒する
アルコールの過剰摂取は、アルコール性肝障害、膵炎、高血圧、心筋梗塞や不整脈などの心血管障害、がんなどと深く関連するほか、不安やうつ、自殺、事故のリスクとも関連しています。
健康日本21(第三次)では、「生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している人」を減らすことを目標としています。
- 男性:1日平均 純アルコール40g以上
- 女性: 1日平均 純アルコール20g以上
実際に研究では、男性で純アルコール44g/日(日本酒2合/日)程度以上、女性では22g/日(日本酒1合/日)程度以上の飲酒で、非飲酒者や機会飲酒者に比べて、全死亡や脳梗塞などのリスクが高くなることが示されています。

なお、厚生労働省では「節度ある適度な飲酒量」として、1日平均純アルコール約20g程度という考え方も示しています。(女性は男性よりも少ない量が適当)(※5)
ただし、これは誰にでも当てはまる「安全な飲酒量」という意味ではありません。
6.禁煙する
喫煙は、がん、循環器病(脳卒中・虚血性心疾患)、糖尿病、COPD(慢性閉塞性肺疾患)に共通する主要なリスク要因です。
タバコから立ち上る煙や喫煙者が吐き出す煙にも多くの有害物質が含まれており、受動喫煙が大きな問題となっています。
本人はタバコを吸わなくても受動喫煙で、発症リスクが肺がんで1.28倍、虚血性心疾患で1.3倍、脳卒中で1.24倍に上昇するという報告があります。(※6)
自分の健康のためだけでなく、周りの人の健康のためにも禁煙しましょう。
7.歯・口腔の健康を守る
歯周病は、歯を失う大きな原因の一つです。
さらに、歯周病と全身の健康との関わりも明らかになってきています。
- 誤嚥性肺炎
- 糖尿病
- 狭心症・心筋梗塞
- 脳梗塞
歯周病を予防することは、歯を守るだけでなく、全身の健康を守るうえでも大切です。
定期的な歯科検診で口腔の衛生管理を行いましょう。
8.定期的に健診・検診を受ける
高血圧や糖尿病などの生活習慣病は、自覚症状がないまま進行することがあります。
そこで大切なのが、定期的に健診を受け、自分の健康状態を確認することです。
特に、40~74歳を対象とした特定健康診査(特定健診)はメタボリックシンドロームに着目し、生活習慣病のリスクを早期に発見して、生活習慣の改善につなげることを目的としています。
健診結果から生活習慣病のリスクが高いと判断された場合には、生活習慣を見直すための特定保健指導を受けることもできます。
また、がんは早期発見・早期治療が重要です。
市区町村では、胃がん・大腸がん・肺がん・乳がん・子宮頸がんの検診が行われています。
自治体によっては無料または少ない自己負担で受けられる場合がありますので、対象年齢や受診間隔、受診方法を確認して受けましょう。

自治体によっては、歯周疾患検診や骨粗しょう症検診を実施しています。詳しくはお住まいの自治体にお問い合わせの上、利用を検討してみましょう。
9.社会とのつながりを持つ
健康は、身体の状態だけでなく、こころの状態や人とのつながり、社会との関わりとも深く関係しています。
社会的なつながりがあることは、精神的・身体的健康や生活習慣に良い影響を及ぼすことがわかっています。
社会とのつながりは仕事や学業のほか、社会参加として以下の活動があります。
- 町内会・地域行事などの活動
- スポーツ・趣味関係のグループ活動
- ボランティア活動

年に数回の社会参加でも、要介護リスクや死亡リスクが低下するというデータがあります。ご自分に合った社会参加を探してトライしてみましょう!
以上、「健康日本21(第三次)」で健康寿命延伸のために重視しているポイントを紹介しました。
それぞれの項目を目標値と照らし合わせ、多すぎるところ・足りていないところが改善のポイントになります。
生活習慣の改善は、続けることが何より大切ですので、無理のない範囲で取り組みましょう。
まとめ
健康寿命を延ばすために大切なのは、まず自分の生活習慣を知ることです。
今回紹介した目標値と比べて、「少し足りない」「少し多い」ところはありませんでしたか?そこが、あなたの生活習慣を見直すポイントです。
健康を左右する要因には、遺伝や環境など自分の力だけでは変えられないものもあります。
だからこそ、自分で変えられる生活習慣に目を向け、正しい知識をもとに、できることから一つずつ始めてみましょう。
【健康寿命 基礎編Vol.3】では、見つけた改善ポイントを実際の行動につなげ、無理なく続ける方法をご紹介します。
こちらもぜひ、ご覧ください!
- ※1 健康日本 21(第三次)推進のための説明資料|厚生労働省
- ※2 健康寿命延伸のための提言(第一次)|国立高度専門医療研究センター
- ※3 健康づくりサポートネット「アクティブガイド2023」|厚生労働省
- ※4 アクティブガイド|e-ヘルスネット(厚生労働省)
- ※5 アルコール|厚生労働省
- ※6 受動喫煙-他人の喫煙の影響|e-ヘルスネット(厚生労働省)
- ※7 歯周病と全身の病気とのつながり|日本歯科医師会
